社会起業塾イニシアティブ 未来を拓くソーシャルベンチャー創出プロジェクト

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2021年10月13日

社会起業塾インパクトレポートを公開しました!

今年度で20年目を迎える社会起業塾イニシアティブでは、この度「社会起業塾インパクトレポート〜19年間の知見と成果を振り返る〜」を公開しました。

本レポートでは、社会起業家という言葉が日本で広まり始めた2000年代初頭の背景から始まり、社会起業塾がこれまで参加者や企業関係者にどのような価値を提供し、社会にどんなインパクトをもたらしたかまとめています。

<レポートの概要>

社会起業塾イニシアティブ インパクトレポート2002-2020
~19年の軌跡と成果を振り返る~
発行:NPO法人ETIC.
執筆・監修:株式会社 風とつばさ
発行年月:2021年10月

<レポートの構成>

  • 第1章 社会起業塾イニシアティブとは何か?
  • 第2章 社会起業塾の意図とプログラムのユニークネス
  • 第3章 社会起業塾はどんな社会起業家を生み出してきたか?
  • 第4章 卒塾生の声から考えるプログラムの価値
  • 第5章 企業と社会起業家とのパートナーシップ
  • 第6章 伴走者視点での評価 〜コーディネーターから見た社会起業塾〜
  • 総括  社会起業塾が生み出した価値とこれから

レポートのダウンロードはこちら

 

<レポートの主な内容>

卒塾生がもたらす社会インパクト(第3章)

社会起業塾では、これまでに132人の起業家を輩出してきました。彼らは、福祉や医療、教育や子育て、まちづくりやダイバーシティ推進など、多岐にわたる分野で社会課題に取り組んでいます。今回のレポートでは、卒塾生がもたらす社会的インパクトを、卒塾生に対するアンケートならびに公開情報のデータ収集をもとに分析しました。

その結果、卒塾生の多くが、自団体の成長・拡大にとどまらず、政策提言やノウハウ展開といった波及効果を実現していることがわかりました。具体的には、卒塾生アンケートの回答者のうち、87%が他のNPO・社会的起業や民間企業との連携・協働を実践していると回答。自団体の事業モデルやノウハウを、他地域や他団体へ移転した経験のある団体は55%に上りました。最終的には、政策レベルでの影響を及ぼした事実があると回答した卒塾生の数は、自治体レベルで55%、国レベルは23%に上ることもわかりました。

社会起業塾の卒塾生たちが、確実に社会に何らかのインパクトを生み出すことに成功していることの背景には、彼らが創業期に起業家としての「自分軸」の確立できたことと、社会課題に対する洞察力を身につけたことによって支えられているといえるでしょう。本レポートでは、卒塾生の実例も交えながら、彼らがもたらす社会的インパクトについて解説しています。

社会起業家にとっての価値(第4章)

本レポートでは、社会起業塾という場そのものが、起業家自身にとってどんな経験だったのか、創業支援プログラムとしての評価にも触れています。卒塾生アンケートでは、社会起業塾の特徴でもあるメンタリングやコーディネーターによる伴走、社会課題の問題構造や当事者が持つ課題に対する理解の促進について、いずれも高く評価されました。

卒塾生からは、

  • 「メンターからの質問やアドバイスを受けることによって、どこを見るのか、何を意識しているのかという経営者としての視点を学ぶことができた」
  • 「(コーディネーターの伴走により)非常に励まされ、勇気づけられ。何より、『出る杭は打つ』という社会の中で、新しいことを始めることに対してウェルカムの姿勢で、親身になって考えてくださったことに感謝している」
  • 「社会課題は十分に捉えていると思っていたけれど、他の課題も複雑に絡み合っている中で、課題の構造と周辺の取り組みを知ることで自分たちらしさを再発見することができた」

といった声が聞かれ、社会起業塾が起業家にとって卒塾後も自走するのに必要な視座やスキルを身につけるのに貢献したとともに、起業家自身の挑戦を応援するエンパワメントの場であったことが伺えます。実際に、卒塾生アンケートの9割以上の回答者が、起業塾が団体・事業と個人の双方に良い影響があったと評価しました。

レポートでは、社会起業家支援のプログラムとして、その成果のみならず改善点や、今後の展望についても触れています。

パートナー企業にとっての価値(第5章)

社会起業塾は、2000年代初頭に、企業の社会貢献担当の関係者たちが世界的な社会起業家育成の潮流に着目したことから始まりました。それ以来、企業や自治体など、様々な主体がともに協力し、若手起業家の育成を通じて社会課題を解決するマルチステークホルダーのプラットフォームとして成長してきました。

近年では、SDGsやESG投資への要請から、社会課題解決をビジネス活動の中枢に置く流れが主流となりつつあります。そうした背景もあり、社会起業塾は近年、パートナー企業内の人材育成や社会課題への感度を高めるための機会として、その存在感を増しています。実際に、昨年度実施された社会起業家とパートナー企業社員との対話イベントでは、オフィシャルパートナーであるNEC・花王の両者から294人の社員参加がありました。

開始から20年目を迎え、近年では成長した卒塾生とパートナー企業との事業連携などの実績も生まれており、本レポートではそうした事例についても言及しています。社会課題解決型のビジネスがメインストリーム化していく中で、社会起業家との連携は課題理解や事業開発の足がかりとなることが期待できるとともに、サービス提供における事業パートナーとしても大いに活躍してくれるといえるでしょう。

 

(本レポートの姉妹版として、「花王社会起業塾〜10年間の軌跡と成果を振り返る」が公開されています。パートナー企業社員にとって、どのような影響があったかなど、こちらもご参照ください)

花王社会起業塾ホームページ:https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2021/20210916-002/

 

レポートでは、社会起業塾の本質的価値として、19年間にわたり培ってきたエコシステムが存在していると触れています。社会起業塾は、起業家のみならず、メンターやコーディネーター、パートナー企業の関係者などが相互に交流・影響しあいながら、起業家支援のネットワークとしてその広がりと多様性の増幅を繰り返し成長してきました。このエコシステムの成熟こそが、起業家の成長を支える土壌であり、それが結果として課題解決のための事業成長と社会的インパクトの拡大に寄与しているといえます。

社会起業塾は、今後も起業家を中心に据えながら、多様な主体が集結し社会をより良くするためのコミュニティとしてさらなる発展を目指していきます。本レポートが、手に取った方々に社会課題解決に向けた新たな視座を提供するものであることを願うとともに、共感した読者の皆様がエコシステムを豊かにする仲間として新たに参画してくださることを期待しています。

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<本レポートに関するお問い合わせ>

NPO法人ETIC.(エティック) 担当:川島、番野