社会と自分に向き合いながら、事業の軸を磨き、社会起業家としての土台を築く半年間
確かな想いを胸に事業を立ち上げたものの、目の前の現実は複雑で、「このままでよいのか」「本当に目指す社会の変化につながるのか」と、暗中模索の日々が続く──スタートアップ期には、そんな迷いや不確かさがつきものです。
スタートアップコースは、創業初期の社会起業家が、自らの価値観や志をあらためて整理し、事業の軸と向き合いながら、今後の展開を描くための半年間の実践プログラムです。本気の仲間や先輩との対話、現場での実践、そして深い内省を繰り返す独自の学習プロセスを通じて、社会起業家としての土台を築いていきます。
これまで、多くの社会起業家が本プログラムでの学びを原点の一つとして、それぞれの挑戦へと羽ばたいていきました。構想を確かな一歩へと進めたい方にとって、自らの軸を定め、次のステージへと踏み出すための学びと出会いの機会となるはずです。
社会起業塾では、知識やノウハウを知っていること以上に、実践を通じて体得することを重視します。現場に飛び込み、仮説を社会の中で試していく「挑戦的な実践」。そして、その経験を仲間との「対話」やメンターとの面談を通じて深く「内省」する。このサイクルを繰り返すことで、社会課題の構造を読み解き、信頼を築き、仲間を巻き込んでいくための、社会起業家としてのあり方とやり方が血肉となります。
一人では踏み出せない一歩も、共に挑む仲間がいれば越えられます。本プログラムには、社会のリアルに向き合い、本気で格闘する仲間がいます。また、ここで出会う先輩たちは、ただ「いい話」を語るだけの存在ではありません。実際に社会の仕組みを動かしてきた実践者たちです。本気と葛藤、成功も失敗も含めたリアルな言葉との対話が、あなたの志に火を灯し、一人では辿り着けない成長を可能にします。
社会を変える挑戦は、一人では成し遂げられません。課題が複雑であるほど、多様な視点と協力が求められます。社会起業塾では、起業家だけでなく、企業もまた単なる支援者ではなく、社会課題の解決に向けた重要な「共創のパートナー」としてこの場に集います。
企業の役割は、資金提供にとどまりません。社員一人ひとりが主体的に参加し、社会起業家と同じ目線で課題の本質に向き合う機会を通じて、共に解決策を探求します。この協働のプロセスは、起業家にとっては事業を加速させる力となり、企業にとっては自らの使命を再発見する機会にもなります。起業家と企業が出会い、共によりよい社会をつくっていく、新たな共創の形を体感します。
「スタートアップコース」では、創業期の社会起業家が、社会の構造に働きかける変化を起こすために、実践と振り返りを重ねながら、事業と自らを進化させていくことを重視しています。
本コースが対象とするのは、アイデアを形にし始め、仮説検証と改善を繰り返しながら、社会に届くサービスへと育てようとしている創業期の団体です。目安としては創業から2~3年以内、チーム体制は1~5名程度を想定しています。
期間中には、事業の実践や改善に継続的に取り組むことが求められます。そのため、以下の応募条件を設けています。
代表者を含む活動の中心メンバーが18~39歳程度であること
※法人化の有無および形態(営利法人/非営利法人)は問いません
※学生・社会人の区別は問いません
顧客や当事者に対してサービスやプログラムの提供実績があり、すでに活動を開始していること
※アイデア段階で活動が未着手の場合は対象となりません
期間中、事業の実践に加え、プログラムの活用に時間的・精神的にコミットできること(具体的には、合宿・メンタリング・研修、最終報告会やパートナー企業とのセッションなど、すべてのプログラムに代表者が参加できること)
※事業基盤が一定確立したうえで、組織・事業の次なる展開にお取り組みの方は、インパクトコースへのご応募をご検討ください。
社会起業塾イニシアティブでは、創業期の社会起業家が事業と自己を深め、次のステージへと踏み出すために、特に以下の3つの力を育むことを重視しています。
事業の軸となる、
自分自身の「志」や「価値観」
ビジネスプランやアイデアよりも前に、あなた自身の「原点」となる価値観や想いと向き合います。自分が心から実現したいことは何か。メンターからの問いかけや仲間との対話、自分自身での内省の機会を通じて、仲間や協力者を集め、困難を乗り越えていく力の源泉となる、自分自身の志や価値観を明確にします。
課題に向き合い、新しい価値を
創造する「社会起業家精神」
社会課題の構造を深く理解し、多様な人々の参画と協力を得ながら、自分たちならではの最適な役割を見出し事業を組み立てていく。こうした社会課題と向き合う上で欠かせない「スタンス」と、資源の制約をも乗り越え、未解決の課題に対して新しい価値を創造していく「マインド」。この両輪を、実践と内省のサイクルを通じて、あなた自身の力として確立していきます。
創業期に必要な経営の
「実践知」
先輩起業家の成功・失敗談からも学びながら、創業期に不可欠な実践知に絞って習得します。例えば、顧客や支援者との関係を築く広報・営業、資金が潤沢でない中での事業計画や財務管理、創業メンバーとのチームビルディング、そして組織の健全な成長に欠かせないガバナンスの基礎など。ビジョンを現実にし、事業を成長軌道に乗せるための勘所を掴みます。
※詳細な日程はプレエントリー頂いた方にご連絡いたします。ご関心のある方はまずはプレエントリーください。
※対面形式のプログラムは、東京都内での開催を予定しています。
キックオフ
セッション
日程
2泊3日:対面合宿 9月下旬
テーマ
社会起業家の実践知と理論に触れ、変革への解像度を高め、一歩を踏み出す
前半実践
日程
10月~11月
テーマ
動きながら学び、構想を社会の中で磨き上げる
レビューセッション
日程
1泊2日:対面合宿 12月上旬
テーマ
フィードバックを力に変え、事業の方向性を定める
後半実践+企業共創セッション
日程
1月~2月中旬
テーマ
事業を自走させ、社会と協働する力を身につける
ファイナルセッション+伝えるコツセミナー
日程
1泊2日:対面合宿 2月下旬
テーマ
フィードバックを受けて戦略を磨き、共感を生む「伝える力」を鍛える
DEMO DAY(公開イベント)
日程
1日:対面3月中旬
テーマ
半年間の集大成。構想を社会に発信し、次の仲間と出会う
認定特定非営利活動法人
D×P
理事長
今井 紀明 氏
メンター
認定特定非営利活動法人
D×P
理事長
今井 紀明 氏
1985年札幌生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)卒。神戸在住、ステップファザー。 高校生のとき、イラクの子どもたちのために医療支援NGOを設立。その活動のために、当時、紛争地域だったイラクへ渡航。その際、現地の武装勢力に人質として拘束され、帰国後「自己責任」の言葉のもと日本社会から大きなバッシングを受ける。結果、対人恐怖症になるも、大学進学後友人らに支えられ復帰。偶然、中退・不登校を経験した10代と出会う。親や先生から否定された経験を持つ彼らと自身のバッシングされた経験が重なり、2012年にNPO法人D×Pを設立。経済困窮、家庭事情などで孤立しやすい10代が頼れる先をつくるべく、登録者17000名を超えるLINE相談「ユキサキチャット」で全国から相談に応じる。また定時制高校での授業や居場所事業を行なう。10代の声を聴いて伝えることを使命に、SNSなどで発信を続けている。
ゼロトゥワン株式会社
代表取締役社長
荻原 国啓 氏
メンター
ゼロトゥワン株式会社
代表取締役社長
荻原 国啓 氏
慶應義塾大学在学中の1998年にピースマインド社を双子で創業。日本初のオンラインカウンセリングサービスを事業化。その後、人と組織の「はたらくをよくする」メンタルヘルス支援プログラムを総合的に提供するパイオニア企業として、上場企業中心に1400社超を支援をする企業に成長。2016年ゼロトゥワン設立。インパクトスタートアップ・社会起業家へのエンジェル投資、経営支援事業を開始。またIPO前後から第2・第3創業期を中心とした経営者の伴走支援家として社会性の高い企業・組織への経営アドバイザリーに従事。ライフワークとして業種業界・営利非営利セクター問わず、多くの社会起業家のメンター・エンジェル投資家として活動中。ピースマインド 創業者・元代表取締役社長
特定非営利活動法人
ADDS
共同代表
竹内 弓乃 氏
メンター
特定非営利活動法人
ADDS
共同代表/臨床心理士/公認心理師
竹内 弓乃 氏
2007年慶應義塾大学文学部心理学専攻卒業、同大学大学院社会学研究科心理学専攻修士課程修了、横浜国立大学大学院学校教育臨床専攻臨床心理学コース修士課程修了。ある自閉症児とその家族との出会いをきっかけに学生セラピストの活動を始め、大学院にて臨床研究を重ねる傍ら、2009年ADDS設立。親子向け療育プログラムや支援者研修プログラム、事業者向けカリキュラム構成システムの開発などに携わる。国立研究開発法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST-RISTEX)「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(SOLVE for SDGs)」プログラムアドバイザー。NHK「でこぼこポン!」番組委員。
社会課題の解決に向けて一歩を踏み出した方へ。その挑戦を、確かな事業へと育てていきませんか。
2025年度スタートアップコースの募集団体数は最大16団体を予定しています。
オフィシャル・パートナーの特別支援枠に選出された起業家の方には、企業に相談をする機会や10万~20円の事業推進支援金が支給されます。支援期間中に集中的に事業を推進するために必要な費用についての一部を支援します。
団体数
最大4団体
NECがPurpose(存在意義)で掲げる、“安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが 人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現”に向け、デジタル活用等、NECとパートナーの相乗効果が期待できる事業
団体数
最大3団体
豊かな共生世界の実現に向け、社会課題の解決に実践的に取り組み、花王とパートナーとして、相乗効果が期待できる事業
以下の1および2を重視しながら、3も加味して選考を実施します。
起業家や経営チームに関する基準
起業家精神とリーダーシップ
難しい状況でも粘り強く取り組み、自身を進化させ、他者の協力も得ながら道を切り開いていくマインドがあるか。
ビジョンと情熱
何としてもその課題の解決に取り組んでいきたいという強い思いがあるか。
実現力
事業の立ち上げにあたって必要な能力やスキルを有しているか。
課題設定や事業の内容に関する基準
課題設定
誰のどのような課題を解決したいのかが明確か。その課題に取り組むことは社会的に重要か。
期待されるインパクト
事業が成長していった先に、どのような社会の仕組みの変化が期待できるか。
事業モデル
社会的な価値を創出しながら、事業を継続・発展させていくための必要なリソースを調達していけるビジネスモデルの仮説があるか。
プログラムを最大限活用する準備に関する基準
メンターや他者の助言に耳を傾けながら、事業の徹底的な検討と現場での仮説検証に自ら取り組み、必要であれば根本から見直すという準備ができているか。
応募をご検討されている方は、本ページの下部にあるフォームより、「プレエントリー」をしてエントリーシートをダウンロードください。 エントリー完了には、エントリーシートを提出頂く必要があります。(※プレエントリーでは応募完了したことになりませんのでご注意ください)
また、エントリーシートの作成には一定の時間を要するため、早めに取り組むことをおすすめいたします。
募集説明会への参加または説明動画の視聴
まずは、プログラムの内容や雰囲気を理解し、「ここで挑戦したい」と思えるかどうか、ご自身で確かめてください。
説明会に参加できない方には、後日視聴可能な動画をご案内します。
※説明会の詳細は、後日ホームページにて公開予定です。プレエントリーいただいた方には、個別にご案内をお送りします。
プレエントリー/エントリーシートをダウンロード
エントリーシートの提出
エントリーシートの提出をもって正式エントリーとなります。
エントリーシートの作成には一定の時間を要します。余裕をもって、早めにご準備いただくことをおすすめします。
エントリー締切 | 2025年7月22日(火)正午 |
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オンライン面談 ※該当者のみ30分程度 |
2025年7月25日(金)・7月28日(月) ※この日程が難しい場合は事前にご相談ください |
一次選考結果連絡 | 2025年7月31日(木) |
プレゼン動画の提出 |
2025年8月17日(日)締切 書類選考を通過された方には、ご自身の構想やこれまでの実践について、5分程度のプレゼンテーション動画をご提出いただきます。 |
最終選考会(質疑応答) |
2025年8月19日(火)・20日(水)時間未定 オンラインでの質疑応答セッション(15分程度)を実施予定です。 |
選考結果連絡 | 2025年9月上旬 |
エントリーを希望・検討されている方はプレエントリーの上、エントリーシートをダウンロードしてください。
エントリーに伴い、まずはプレエントリーください。
※提供して頂いた個人情報はNPO法人ETIC.のプライバシーポリシーと規約が適用されます。NPO法人ETIC.のプライバシーポリシーについては、こちらから内容をご確認ください。エントリーシートに記載の情報は、講師やメンター・パートナー企業等、本プログラムの提供に携わる第三者に、本プログラムの提供に必要な範囲で共有されます。あらかじめご了承ください。
応募についてよくある質問
まだ計画段階ですが、応募できますか?
いいえ。すでに対象者にサービス提供などの実践を始めていることが応募条件です。 また、プログラム期間中に十分な時間を確保し、現場での実践に向き合えることも前提です。 ※対象になるか不安な方は、事前相談をご利用ください。
企業などに勤めていても、応募できますか?学生でも応募できますか?
現在の所属は問いませんが、応募条件にある「創業期にあり、一定の実践を行っていること」を満たしている必要があります。
法人化していなくても応募できますか?
はい、法人化していなくても応募可能です。任意団体、個人、プロジェクトベースでも応募いただけます。法人形態や営利・非営利は問いません。
なぜ対象が18歳〜39歳なのでしょうか?
社会起業塾では、若者の挑戦と成長を支援するNPO法人ETIC.が企画運営を進めています。社会全体で見ると、さまざまな世代での社会起業が期待され、実際にチャレンジされている方も多いと理解しておりますが、効果的なプログラム作りという観点で若手に限定させていただいています。代表者を含む活動の中心メンバーが「18〜39歳程度」であることを目安としています。
他のプログラムと並行して参加することは可能ですか?
可能な限り、本プログラムに集中して取り組んでいただきたいと考えています。他プログラムとの並行参加が不可とはしていませんが、活動に支障が出ないようご自身で調整をお願いいたします。
全日程に参加する必要がありますか?
すべてのプログラムに参加いただくことが前提となります。
「プログラム参加補助費(旅費補助)」と「事業推進支援金」について教えてください。
● プログラム参加補助費(旅費補助) 一都三県(東京・埼玉・神奈川・千葉)以外からご参加いただく方に対し、距離や費用に応じて、合理的な範囲で旅費補助を支給します。 目安としては、往復旅費の半額・1回あたり上限2万円を予定しています。 ● 事業推進支援金 「オフィシャル・パートナー」枠に選出された起業家の方には、10万~20万円の事業推進支援金を支給します。 これは、支援期間中に集中的に事業を推進するために必要な費用の一部を補助するものです。
NPO法人エティック ソーシャルイノベーション事業部
担当:白鳥、大竹、小野、石塚
送付先:incu[@]etic.or.jp (メール送信時は[@]を半角の@に変更してください)